更年期に関する勉強の総まとめ

こんにちは。負けないカラダ調査隊(※)の康子です。これまで女性の更年期症状について皆さんと一緒に勉強してきました。1年近くいろいろと調査してみて、自分の身体なのに知らないことがたくさんあって、ためになりました。そこで今年度の総まとめとして、産婦人科の先生に聞けそうでなかなか聞けない質問を、ぶつけてみることにしました!

更年期に関する都市伝説ってよくありますよね。正しい知識を得るためにも、東京医科歯科大学 周産・女性診療科准教授の尾林 聡先生、よろしくお願いいたしま~す!

更年期都市伝説 その1

私の友達は、大豆に含まれるイソフラボンが更年期症状に良いと聞いて、毎日2丁は食べているらしいの。これって本当に効くのかしら……。さっそく、東京医科歯科大学 周産・女性診療科准教授の尾林聡先生にお聞きしてみました。

尾林先生いわく、「最新の研究では、体内につくられるホルモンと、体以外のところでつくられる【ホルモン様物質】では作用が違うことがわかってきています。だから食べたからといって、すべてが女性ホルモンと同じように作用するわけではありません。それよりも、食べ過ぎによるカロリーオーバーのほうが問題ですね。食事のバランスとエネルギー量を考えた場合、大豆製品……たとえば豆腐は1日に1/3~1/4丁(80kcal分)までが適量です」

なるほど。たくさん食べれば良いというものでもないんですね。お友達にもアドバイスしておきます。

更年期都市伝説 その2

更年期になると、カルシウム不足が気になってきますよね。骨粗しょう症対策として、牛乳やヨーグルト、チーズを多めに食べれば良いと聞きますが、本当はどうなのでしょうか。

「カルシウムというと乳製品がよく取り上げられますが、乳製品だけから摂らなくても、小魚や野菜などでも摂ることができます。乳製品の1日の摂取量は、少なくとも牛乳ならコップ1杯(約200ml)、ヨーグルト(小カップ)なら2個ぐらいを目安にしましょう。牛乳やヨーグルトを多く摂ると、すぐに摂りすぎの量になってしまいます。どうしても乳製品が良い場合は、脂肪のないスキムミルクなどを替わりに摂るようにしましょう」

乳製品だけに偏ることなく、小魚や野菜なども取り入れてバランス良く食べるということですね!

「そうですね。1日のカルシウム推奨量は700mg程度。乳・乳製品は2~400mg、野菜や小魚なども2~400mgです。大豆製品・海草・きのこ類を組み合わせて食べることが、よりカルシウムの吸収を高めるために必要です」

更年期都市伝説 その3

更年期になると、気になりますよね、お腹の脂肪。私の友達は大学時代、バスケット部だったこともあり、最近マラソンを始めたらしいの。30年もブランクがあるのに大丈夫かしら?

「更年期は、それまでと身体の状態が変わるんですよ。若いときに運動に自信があった方でも、筋肉や関節、代謝や血圧・血管の状況も違います。運動の位置づけを“競技”から“健康を維持するためのツール”に変えていく時期だと思ってください。運動負荷は自分の体力に合わせて徐々に増やしていく。たとえば、突然マラソンを始めるのは危険ですからやめたほうが良いでしょう。まずはウォーキングから始めてみてください。どれくらい行なうかはその人によって異なるため、体調や慣れ具合に合わせて無理をしない程度にしましょう」

若いときに鍛えた自信があっても、別の身体になったと思ったほうが安全なんですね。友達にはウォーキングから始めるように誘ってみます。

 

更年期都市伝説 その4

ところで尾林先生。更年期は女性ホルモンが減るのだから不調は当たり前なんですよね。あきらめて我慢しながら過ぎるのを待つのが女性としての宿命なんでしょうか?

「心身の不調を更年期が原因だからと放置して受診しないままでいると、バセドウ病(甲状腺ホルモンが過剰に分泌されてしまう病気で、甲状腺腫、頻脈、眼球突出が代表的症状)のような発汗がひどくなる他の大切な病気を見つけられなくなることがあります。また、更年期症状も日常生活に支障が出るくらいであれば、病院で治療を受けてくださいね。自分の症状を自分で判断せずに、気軽に相談できる産婦人科のかかりつけ医をもつことが大切です」

たしかに出産以来、産婦人科とは縁遠くなっていたし、かかりつけ医をもつのは内科だけではなく、女性には産婦人科も必要ってことですね。さっそく近所のクリニックを探してみます。尾林先生、いろいろと教えていただきありがとうございました! これからも負けないカラダ調査隊をよろしくお願いします!!

<監修>
東京医科歯科大学 周産・女性診療科(産科・婦人科学) 准教授 尾林 聡先生
中高年女性の健康管理を専門とする外来を設け、QOL を主眼とした治療を行い、DEXA法による骨量測定、ホルモン補充療法などを行っています。

(2014年3月19日掲載、“カラダ日和”より)

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