更年期症状に悩む友だちが始めたホルモン補充療法

こんにちは、負けないカラダ調査隊(※)の康子です。最近友だちとお茶をすると、きまってカラダのことが話題にのぼります。なかでも「更年期」は、わたしの世代にとって深刻な問題。

そんななか、更年期症状に悩んでいた友だちの一人が、先日から「ホルモン補充療法」というのを始めたという話を聞きました。更年期の症状って、時期が来るまでがまんするしかないと思っていたけど、ホルモン補充療法ってホントに効くのかしら?

エストロゲンの減少は女性なら誰にでもやってくる

まずは更年期の症状を緩和する方法に何があるか調べてみたところ、主に以下のように分けられるようです。

  1. ホルモン補充療法
  2. 漢方薬による治療
  3. 抗うつ剤(向精神薬)
  4. 生活習慣の改善(バランスのよい食事と運動、睡眠など)

更年期の症状は、卵巣の機能が年齢によって低下して(グラフ「女性のライフステージとエストロゲン分泌量の変化」参照)、女性ホルモンの一種「エストロゲン」が減ることが原因とか。1番の「ホルモン補充療法」は、そのホルモンを外から補充してあげて元の状態に近づけるわけだから、確かに効きそうよね。だけど、ホルモン補充療法をよくよく調べてみると、メリットもある一方、デメリットもあるという情報も多くて、すぐに飛びつくには不安だなあ……。

ホルモン補充療法HRTのメリットとデメリット

ホルモン補充療法の正しい情報を知りたいので、専門家である東京医科歯科大学准教授の尾林聡先生にお話を伺うことにしました。

「ホルモン補充療法は、更年期に減少する女性ホルモンを外から補うことで、のぼせやほてり、イライラ、発汗などの更年期に起こるさまざまな症状を改善するのに高い効果が期待できます。HRT(hormone replacement therapy)と呼ばれ、欧米ではもう30年以上の実績のある療法なんですよ」と尾林先生。

へ~、欧米では、そんなに昔から行なわれているんだ! それならば、きちんと効果が実証されているってことなのかしら?

「HRTは、先ほど挙げた更年期特有の症状を緩和する効果があるのに加え、エストロゲンの低下によって更年期から少しずつ進行していく“骨粗しょう症”などを予防する効果もあるんです。また、HRTによってコレステロールの望ましい変化が生じるというデータもあります」 あら、良いことばかりに聞こえるけれど……先生、デメリットもあるんですよね?

「個人差はありますが、不正出血や頭痛、嘔吐やむくみなどの副作用を発症する方もいらっしゃいます。また、乳がんのリスクが高くなるというデータも過去に発表されたことがあるので、HRTを使用する場合は医師と相談して、定期的に検診を受けることが原則です」

なるほど、がんのリスクが高くなるのは怖いけれど、早期発見のためにきちんと検診を受けるということが大事なのね。尾林先生に伺った、ホルモン療法を受ける際に気をつけたいことをまとめてみると……

  • 開始前には、ホルモン検査や血圧測定、肝機能や血糖などの検査を受ける
  • HRTの開始前や薬を使っている間は、子宮がん・乳がん検診などを定期的にかならず受ける
  • 身体に違和感を覚えたら、すぐに医師に相談する

とのことです。わたしもこれから更年期症状がでてくるようなら、HRTによる緩和策も選択肢に入れて、専門のドクターに相談してみようかな。

HRTの補充の方法は人それぞれ

尾林先生のお話によると、HRTの種類には、飲み薬、皮膚に貼るタイプのパッチ剤、塗るタイプのジェル剤、さらに腟坐薬などがあるそうです。更年期の症状は人それぞれ。ならば、治療もまた、その人の症状によってさまざまなはず。さらにその人に合った薬剤タイプや量があり、年齢によっても変わってくるそう。どういう方法が良いかは、主治医とよく相談ってことね。

治療のほかにも、食生活や運動、睡眠といった生活習慣の改善はかならず行なったほうが良いそうです。人によってはそれだけで症状が緩和する場合もあるとのこと。自分でできる改善方法もあるのは心強いわ。

つらい更年期の症状に悩まされながらも、なかには「身体が慣れれば……」と我慢し続けてうつ症状を発症する人も多いとか。ひとりで頑張りすぎないで、あまりにツライようならば、専門医の先生方の力をお借りして、自分に合った対処方法を見つけることも必要なんですね。

<監修>
東京医科歯科大学 周産・女性診療科(産科・婦人科学) 准教授 尾林 聡先生
中高年女性の健康管理を専門とする外来を設け、QOL を主眼とした治療を行い、DEXA法による骨量測定、ホルモン補充療法などを行っています。

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