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2月のびぃあらいぶぷらす

あなたの“お金の悩み”
相談にのります
2月
老後資金はいくら必要でしょうか?貯められるか不安です。

今月の相談

退職までに老後資金が十分貯められるか不安です…。

夫の定年退職(60歳)が近づいてきました。その後も、年金が支給開始される65歳までは何とか働くことはできそうです。とはいえ、60歳以降の年収はかなり下がる見込みです。子供は大学1年で、ようやく教育費のメドはたってきました。住宅ローンもまだ残ってはいるものの、退職金で完済する見込がたっています。一方で、十分な老後資金を貯められているかが正直不安です。退職までの時間はそれほど多く残されていませんし、いまからどう老後資金を貯めていくといいでしょうか?老後資金の目安もあれば、ぜひ教えてください。

●相談者
50歳/女性/会社勤務 家族構成…夫(54歳)、子ども(19歳)

今月のポイント!

  • 「十分な老後資金とは」の明確な答えはない
  • このあといくら貯められそうか“My老後資金”を試算してみよう
  • 試算を元にどんな生活ができそうかイメージを

回答

【 相談者 】 
老後資金はいくらあったらいいのでしょうか?

【八ツ井さん】 
明確な答えは無いと考えましょう

第一に、「老後資金はいくらあればいいか?」の質問に対する明確な「答え」は無いものとお考え下さい。のっけから突き放すようでたいへん申し訳ないのですが、事実そうなのです。だからこそ、たくさんの情報があっても、多くの方がいまだ不安に感じられているのだと思います。

明確な「答え」が無いもっとも大きい理由は、寿命は誰にも分からないためです。他にも、この先の人生で何が起こるのかも分かりませんから、老後の生活資金はどうしても仮定の数値になります。また、年齢も重ねれば、気持ちや考え方の変化もあるでしょうが、事前に試算で考慮するのは難儀です。さらには、家族の環境や時代の変化などもあればなおさらです。したがって、必要な老後資金の計算は「予測」の域を超えない、という前提で捉える必要があります。

【 相談者 】 
それではなにを基準に考えればよいのでしょうか?

【八ツ井さん】 
リタイアまでに「いくら貯められそうか」を試算してみましょう

もちろん、あくまで「仮定」という前提で老後資金を計算することはできます。ですが、ここではあえて別の視点からアプローチする方法をお伝えしたいと思います。必要な老後資金を計算するという不確定要素の高い側面からではなく、確定要素の高い方からアプローチする方法です。それは、リタイアまでにどのくらいの資金を貯められそうかを試算することです。

ご相談者は教育資金や住宅ローンのメドがたっていらっしゃいます。つまり、今後リタイアまでにまとまって出ていくお金の金額はかなり明確になっています。また、定年退職がより近くなれば、退職金の見込額も試算しやすいでしょう。60歳以降の給与に関しても、給与規定や先輩の事例などからおおよそ見当がつけば、60歳、あるいは65歳までにいくらの“My老後資金”が貯められそうかの試算ができてきます。

また、50歳以上ともなれば、毎年日本年金機構から送付されるねんきん定期便に「老齢年金の種類と見込額(年額)」として、将来の老齢年金額が記載されてきますので、リタイア後の収入として参考になります。ただし、記載されている金額はあくまで額面であり、そこから税金や社会保険料が差し引かれることは考慮しておく必要があります。

  • 非常にざっくりですが、厚生年金の加入期間が長かった方は、15%ほど差し引いておくと、おおよその手取り額に近くなると思います。

【 相談者 】 
試算の結果をどのように活用したらよいですか?

【八ツ井さん】 
老齢年金で足りない分が見えることで、具体的な生活をイメージしてみましょう

ここまでの試算ができれば、毎月生活していくのに、老齢年金では足りない金額で、My老後資金を割ってみると、何年間で取り崩せそうかがみえてきます。あるいは、My老後資金を長くもたせるためには、月の生活費をどの程度に抑えることができればいいのかもみえてきます。つまり、My老後資金から自分の老後生活をイメージするわけです。

当然にこの場合であってもさきほどお話した不確定要素は変わりません。しかしながら、不確定要素を積み上げていくよりも、確定要素を積み上げていく方が、数値に対する納得感はまったく異なります。例えば、月の生活費が2万円でも違えば、老後期間を25年としたら、それだけで600万円も老後資金の計算に誤差が生じます。大きい数値ですよね。また、自分がいくら貯められそうか(My老後資金)が分かることで、どういった老後生活を描いたらいいかな、という前向きな視点にもつながります。

「いくら足りないか」ではなく、「いくら貯められそうか」に視点を切り替え、「こうなったらたいへんだ」から、「こういう生活が送れそうだ」と、前向きにリタイア後のライフプランニングを行ってみてはいかがでしょうか。


【回答者プロフィール】
回答者/八ツ井 慶子さん

生活マネー相談室代表。家計コンサルタント(FP技能士1級)。
大学卒業後、信用金庫勤務を経て、2001年4月より「家計の見直し相談センター」の相談員としてFP活動を始める。13年7月に独立し、「生活マネー相談室」を設立。個人相談を中心に、講演、執筆、取材などの活動を展開。これまで1000世帯を超える相談実績をもつ。

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