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3月のびぃあらいぶぷらす

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3月
これから組む住宅ローンの金利、「変動」「固定」のどちらを選べばいいの?

今月の相談

住宅ローン「変動金利」「固定金利」の選び方がわかりません。

今、賃貸住宅住まいで、4歳の子どもが小学校に入学する前に家を購入しようと考えています。家選びもさることながら、住宅ローンの組み方でも悩んでいます。住宅ローンには「変動金利」「固定金利」がありますが、どちらを選んだらいいのでしょうか。
いまは低金利ですが、今後30年ともなると、あまりに長期のため、何を基準に判断すればいいものかわかりません。住宅業者の方には変動金利を選択しておいて、もし金利が上がったら固定金利に変えればいいと言われましたが、そういう考え方でいいのでしょうか。
●相談者
34歳/女性/会社員 家族構成…夫(36歳/会社員)、子(4歳)

今月のポイント!

  • 変動金利を選ぶと総返済額が変わる可能性も
  • 変動金利よりも固定金利の方が金利の設定が常に高い
  • 金利は本来変動するもの。「上昇」もあれば、「下落」もありうる

回答

変動金利は半年ごとに見直される

まず、業者の方の提案は、私はあまりよい方法とは思えません。その理由は、変動金利と固定金利の特性をきちんと知ることで、ご理解いただけたらと思います。
「変動金利」は、基本的に半年ごと住宅ローンの適用金利が見直されます。「固定金利」の場合は、借入期間中に適用金利が変更されることは一切ありません(「○年固定金利」というように、借入期間のうち、最初の所定期間のみ固定金利を適用させるタイプもあります)。

借りた時点から世の中の金利が上昇したとしましょう。固定金利の場合は適用金利が変更されることはないので、返済額にも何の影響もありません。一方で、変動金利を選んだ場合は、半年ごとの見直しのタイミングで適用金利が引き上げられる可能性があります。つまり、変動金利の場合は、借りた後の金利動向によって最終的な総返済額も変動することになります。

金利が高いときに「固定金利」に切り替えるとどうなる?

気をつけたいのは、変動金利と固定金利の金利水準には、常に「差」が設けられている点です。ざっくりいうと、変動金利よりも固定金利の方が常に高めに設定されているのです。この金利差は、いわば貸し手である金融機関にとって“保険料”のようなものです。
変動金利であれば、世の中の金利が上昇したとき、同じように住宅ローンの適用金利も引き上げることで金融機関は相応の金利収入が得られます。ところが、固定金利ではそれができないため、最初から少し高めにしておきます。世の中の金利水準がある程度上昇したとしても、すでに変動金利よりも高めの金利収入を回収しているわけです。

ここで業者の方の提案を検討してみると、世の中の金利が上昇して変動金利が上がるような状況が訪れた場合、その時点での固定金利水準も上がっています。このタイミングで変動金利から固定金利に切り替えるということは、固定金利は変動金利よりも常に金利は高めに設定されていますから、さらに高い金利へ変更することを意味します。しかも、それを固定化させます。当然に、毎月の返済額はより増えます。

金利は上下動するもの。「変動」「固定」を組み合わせることも検討を

「変動」とは読んで字のごとく「変わる」ことを意味しているのであって、必ずしも「上昇」のみを意味しているわけではありません。つまり、金利が上がり続けるということはありませんから、いずれ下がる局面が訪れれば変動金利も下がるわけです。にもかかわらず、もし固定金利に変えてしまったら、住宅ローンの適用金利は下がらなくなってしまいます。本来、金利は上下動するものですから、むしろ、変動金利のままがいいでしょう。

将来の金利がどう動くかは、長期であればあるほど事前の予測は難しいものです。変動金利を選択するのであれば、金利上昇局面がかりに訪れた場合でも、心理的に耐えられるかどうかが大事ではないかと思います。あるいは、変動金利と固定金利を組み合わせて借りられる金融機関も多いので、借入額の一部は変動、残りは固定というように、組み合わせるのも一案です。

個人的には、政府と日本銀行が10年かけた経済政策を行っても、景気浮揚に伴う金利上昇は起きなかったので、今後も上がらないのではないのかなと見立てています。最後は神のみぞ知る、でしょうか。ご参考になれば幸いです。


【回答者プロフィール】
回答者/八ツ井 慶子さん

生活マネー相談室代表。家計コンサルタント(FP技能士1級)。
大学卒業後、信用金庫勤務を経て、2001年4月より「家計の見直し相談センター」の相談員としてFP活動を始める。13年7月に独立し、「生活マネー相談室」を設立。個人相談を中心に、講演、執筆、取材などの活動を展開。これまで1000世帯を超える相談実績をもつ。

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